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母が亡くなったときにそばにいてくれたのはペットでした

10年程前に母がガンで亡くなりました。
放射線治療の後再発し、抗がん剤を投与して最後は全身に転移、麻薬類の鎮痛剤を利用して意識が朦朧とするなかで息を引き取って行きました。
小さいときからずっと隣にいて、一緒に笑い、泣き、そして生きてきた母の死は私の生気をなくしました。
食欲がわかずに、ずっと家の中に閉じこもる毎日でした。
テレビもみたくないし、人とも会いたくない、ただアルバムやビデオをみて母の死を悼んでいました。
しかし、そんな私をを外に連れ出してくれたのは、人ではなく飼い犬の存在でした。
小型犬ではないので、家の中で散歩が終わることはなく、毎日お散歩のために外に行かなくていけません。
排泄を外でするようにしつけていたので、毎日お散歩をしないと病気になってしまいます。
外に出たくないのに出てのお散歩は本当に嫌でした。
しかし、毎日朝晩二回のお散歩をこなすと、お腹が空くのです。
食べると出したくなります。
よく歩くと疲れて眠くなります。
こうすることで、私の心と体のバランスは、ペットの存在により徐々に回復していきました。
「今、生きている者のために私は生きなくてはいけないんだ」と思ったときに、私の悲しみは少し薄れてきました。
それでも完全に消えることはなく、夜になると悲しみは襲ってきます。
ある日、飼い犬の柴が私が泣いている横で伏せをしました。
いつもは抱っこされるために乗っかってくるのですが、なぜか床に伏せたのです。
後日、動物病院にお世話になることがありこの時のことを聞いたのですが、「それは飼い主の悲しみに共感しているという態度なのですよ。泣いていたあなたの気持ちを感じ取ったのでしょう」と教えてもらい、そこでも私は泣いてしまいました。
言葉が話せない犬でも、人間の気持ちがわかるなんて驚いたのと、一緒に悲しんでくれたということが本当に嬉しかったのです。
母もとても可愛がっていたペットでした。
柴犬は飼い主に従順で、他の人にはあまり懐かない。
と言われていましたが、母はエサをあげたりトイレを綺麗にしたり世話をしていたからか、よくなついていました。
その人が急に自分から離れてしまったのを犬は感じ取ったのかもしれません。
ペットの世話は私にしか出来ません。
出来なくなってしまったらペットは死んでしまいます。
私は悲しみに負けている場合ではなく、生きている者と一緒に生きて行かなくてはならないのだ。
と、強く思うようになりました。
最後に、お母さん、あなたの子供で本当に幸せでした。
優しさと愛をたくさんくれてありがとう。

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